賃貸不動産経営管理士試験の建築・設備系、その第1回です。建築の基礎知識、建築物の点検、給水設備、換気設備を扱います。
この範囲は専門用語のかたまりで、建築の経験がない方には最初とっつきにくいところです。ですが問われ方はワンパターンで、用語と方式の名前さえ結びつけば取れます。理解よりも「名前と特徴の対応表」を作るつもりで進めてください。
給水方式は「4つの名前」を区別できれば取れる
この範囲で最頻出なのが給水方式です。名前と仕組みを結びつけてください。
- 水道直結直圧方式 … 水道本管の圧力でそのまま各戸へ。受水槽も高置水槽も不要。小規模な建物向け
- 水道直結増圧方式 … 本管から引いた水を増圧ポンプで押し上げる。受水槽が不要なので水質を保ちやすい
- 高置水槽方式 … 受水槽に貯めてから屋上の高置水槽へ揚げ、重力で各戸へ落とす。停電時もしばらく水が出るのが特徴
- 圧力タンク方式 … 受水槽の水を、圧力タンクで加圧して各戸へ送る
「受水槽があるか」「停電したらどうなるか」——この2点で問われることが多いので、方式ごとに答えられるようにしておいてください。
換気は「第1種・第2種・第3種」の給排気の組み合わせ
ここも名前と中身の対応だけです。
- 第1種換気 … 給気も排気も機械。もっとも確実にコントロールできる
- 第2種換気 … 給気のみ機械、排気は自然。室内の気圧が高くなるので、外から汚れた空気が入りにくい。クリーンルームなど
- 第3種換気 … 排気のみ機械、給気は自然。室内の気圧が低くなる。トイレ・浴室・台所など、においや湿気を外に出したい場所で使われ、住宅で最も一般的
第2種と第3種は必ず入れ替えて出題されます。「住宅で一般的なのは第3種」「気圧が下がるのは第3種」と紐づけて覚えてください。
建物の点検で押さえること
- 誰が、どの頻度で点検する義務があるのか … 建築基準法に基づく定期報告の対象と時期
- 雨漏りの原因は屋上・バルコニー・外壁の目地・サッシまわりが定番
- コンクリートのひび割れ … 構造上問題のないものと、そうでないものの区別
建築の基礎知識で最低限おさえること
- 構造の違い … 木造、鉄骨造、鉄筋コンクリート造。耐火性・遮音性・耐用年数の傾向
- 耐震基準 … 1981年(昭和56年)6月を境に新耐震基準。この年月は覚えてください。頻出です
- アスベスト … 古い建物の改修時に問題になります
以下、暗記事項をまとめています。過去問を回しながら、間違えた箇所をここで確認する使い方が効率的です。
賃貸管理士合格に向けての暗記事項まとめノートです。建築・設備系の分野になります。合格には理解と暗記が必要です。過去問をやりながらこちらの暗記まとめノートでしっかりと暗記し、合格を目指してください。
目次
建築の知識
建築物の点検
給水設備
換気設備
建築の知識
〈構造方法〉
ラーメン構造と壁式構造
ツーバイフォー=壁式構造であり枠組壁工法ともいう。2×4インチの部材に構造用合板を張った壁、床で構成
プレハブ工法・・・工場で製作、現場で組み立て、低コストで工期が短い
〈共同住宅の避難規定〉
共同住宅には直通階段が必要
※その階の居室が100㎡を超える場合は2つ
※6階以上は2つ
避難用廊下の幅(床面積が100㎡を超える場合)
・片側廊下 1,2m
・両側に居室がある場合 1,6m
避難階段の幅
・直上階の居室の床面積200㎡超 120cm以上
・ 〃 200㎡以下 75cm以上
・屋外階段 90cm以上
〈防水〉メンブレン防水(薄い皮膜を面上に形成)とシーリング防水(継ぎ目や目地)
アスファルト防水・・・アスファルトを下地に張り付け
シート防水・・・シートを張り付けて防水 シート素材のゴム系は非歩行
用、塩ビ系は軽歩行用
塗膜防水・・・樹脂類を塗る バルコニーなどに
〈アスベスト〉
石綿の発散のおそれがある材料は使用禁止
※ロックウールでも石綿の重量が0,1%超えは使用禁止
〈居室の高さやロフト〉
居室は天井2,1m以上 ※天井の高さが異なる場合はその平均の高さ
ロフトは居室として使用できず、天井が1,4m以下で面積がその存する階の2分の1未満であれば延べ床面積に算定されない
建築物の点検
特定既存耐震不適格建築物(昭和56年5月31日以前の着手したことが目安)
要件
・賃貸住宅で3階以上かつ床面積1000㎡以上である場合
・建築基準法の耐震規定に適合しない場合
〈応急危険度判定〉地方公共団体の要請により建築技術者が行う
外観調査に重点をおいて「危険」「要注意」「調査済」の3ランクに区分
罹災証明証は市町村長が証明する
〈建物の法定点検と定期報告(6か月から3年)〉
調査内容・・・敷地、構造、防火、避難
調査対象物を調査できる人
特定建築物 防火設備 建築設備 昇降機等
1,2級建築士 〇 〇 〇 〇
特定建築物調査員 〇
防火設備調査員 〇
建築設備調査員 〇
昇降機等調査員 〇
※その結果を所有者か管理者がいる場合は管理者が特定行政庁に報告
〈外壁の劣化現象〉
白華現象・・・セメントの石灰が表面に染み出して白色化
白亜化・・・チョーキングのこと
ポップアウト・・・コンクリートの骨材が内部で膨張、一部が劣化
給水設備
給水方法・・・直結方式と受水槽方式
受水槽の容量は衛生のため1日の使用水量の2分の1
※断水しないで清掃や点検をするため二層式や中間仕切りで分割しているものが〇
※天井とは1m以上 横と下は60cm以上距離を置いて設置
※直系60cm以上の円が内接できる構造としたマンホールを設ける
※飲料用受水槽のマンホールは受水槽天井から10cm以上かさ上げ
室内配管は引き込んだ給水管から分岐する「先分岐方式」とヘッダーから管をタコ足状に分配する「さや管ヘッダー方式」とある
給湯方式は必要な箇所に個別設置する「飲用給湯方式」と各住戸ごとに給湯器を設置する「局所給湯方式」と屋上や地下にボイラー室を設置して供給する「中央給湯方式」がある
合成樹脂管・・・耐食性があり、軽量 給水配管に使う場合は温度変化によ
る伸縮注意
塩ビ管・・・軽量で耐食性に優れる
鋼管・・・強靭性、耐衝撃性、耐火性に優れる
※給水管の保温不足による結露は漏水の原因になる
排水・・・汚水、雑排水(台所・浴室等からの排水)・雨水
公共下水道・・・分流式(汚水、雑排水と雨水の2本の管)と合流式(すべてを1本)
〈排水トラップ〉封水(水で封じる)封水芯は50~100とされている
二重トラップ禁止
一般的なSトラップはサイホン作用(逆流)を起こしやすい
Uトラップは封水の安定度が劣る
Pトラップはサイホン作用による封水破壊が少ない
台所の流しにはドラムトラップ 封水〇
床排水はわんトラップ
〈通気設備〉
店舗等に採用されている通気立菅方式(二管式)と伸頂通気方式がある
〈浄化槽設備〉
最初の保守点検を使用開始直前に行う 原則年1回の保守点検
※浄化槽管理者は使用開始から30日以内に報告書を都道府県知事へ提出
換気設備
(自然換気方式)騒音なく経済的だが換気量や換気圧力が問題
(機械換気方式(3種類に分類))
機械を利用して強制的に換気 必要な時に換気
第一種・・・給気、排気とも機械(居室の熱交換型換気室、機械室、電気室
等に採用)
第二種・・・給気のみ機械(製造工場など限られている)室内は正圧
第三種・・・排気のみが機械(台所、浴室、便所等で使用)室内は負圧
※第四種(自然換気方式)・・・自然(居室)
シックハウス対策・・・新築の居室を有する建築物は原則機械換気設備(24
時間換気システム)を設置
※例外的に義務でないものもあり
使う教材について
この記事は要点の確認用です。土台になるテキストと過去問集は、必ず2026年度(令和8年度)版を手元に置いてください。この試験は法改正の反映が多く、古い版で覚えた内容がそのまま失点になります。
Amazonで賃貸不動産経営管理士のテキスト・過去問集を探す
※当ブログはAmazonアソシエイト・プログラムの参加者です。適格販売により収入を得ています。
独学で不安なら、講座という選択もあります
この試験は独学でも十分に合格できます。実際、市販のテキストと過去問集だけで受かる方は多くいます。
ただし独学には、自分で優先順位を決めなければならないという負担があります。どの分野に時間を配分するか、法改正がどこに反映されたか、捨ててよい論点はどこか——これを判断する時間も、実は勉強時間の一部です。
残り時間が少ない方ほど、この「判断」を人に任せる価値が大きくなります。試験までの期間が短いなら、費用をかけて要点を絞ってもらうほうが、結果的に安く済むこともあります。
PR
独学で進めるか講座を使うか迷っている段階でも、講座の内容と費用を見ておくと判断しやすくなります。
難関資格試験の通信講座ならアガルートアカデミー![]()
直前期の使い方
建築・設備系は暗記でしか埋まりません。逆に言えば、直前に詰め込めば得点になる分野です。
- 過去問を解く
- 間違えた選択肢のキーワードで、このページ内を検索する(スマホなら「ページ内検索」)
- 該当箇所だけ読み直す
用語が出てきたら、必ず「それは何をするものか」を一言で言えるか確認してください。名前だけ覚えて中身があいまいだと、少し言い換えられただけで判断できなくなります。
ほかの分野の暗記ノート
2026年度の試験は申込が9月30日までです。学習計画は残り3か月で伸びる科目の優先順位と過去問の回し方にまとめています。
コメント
コメントを投稿