テキストの建築・設備のページを開いて、そっと閉じた日がありました。
屋根の形、受水槽の方式、換気の第1種と第3種。どれも見たことがない言葉ばかりで、頭に何も残らない。
私も最初はそうでした。「ここは捨てよう」と決めて、結局それが最後まで不安の種として残ってしまったんです。
でも、この分野は全部やらなくていい代わりに、全部捨ててもいけないところだと思っています。
拾う場所さえ決まっていれば、残りは思い切って手を抜ける。
今回は、私が「ここだけは押さえた」と感じている線引きを共有します。
捨てる前に、ひとつだけ確認したいこと
建築・設備は、毎年まとまった数が出ます。ゼロにはならない分野です。
つまり、まるごと捨てるとその分だけ他で取り返す必要が出てくる。
ここで少し考えてみてほしいのですが、取り返す先はどこでしょうか。
管理業法や借地借家法は、すでにみんなが得点源にしています。そこで人より多く取るのは、実はけっこう大変です。
それなら、建築・設備で「誰でも取れる数問」だけ確実に拾うほうが早い。私はそう考え直しました。
拾う3つ、捨てる3つ
| 分野 | 理由 | |
|---|---|---|
| 拾う① | 換気設備(第1種・第2種・第3種) | 3つの違いだけ。図で一発で覚えられる |
| 拾う② | 給水方式(受水槽方式・直結方式) | 方式の名前と特徴が対応するだけ |
| 拾う③ | 建物の構造(木造・鉄骨造・RC造) | 実務でも使う。イメージで解ける |
| 捨てる① | 建築基準法の細かい数値規定 | 覚える量に対して出題が読めない |
| 捨てる② | 屋根・外壁の材料名の細部 | 種類が多すぎる。深追いは危険 |
| 捨てる③ | エレベーター・消防設備の細かい点検区分 | 実務経験がないと定着しにくい |
この表、きれいに3対3で並べましたが、実際は拾う側だけ覚えれば十分です。
捨てる側は「見たら飛ばす」と決めておくだけ。それだけで、テキストを開くときの気が重さがかなり減ります。
拾う① 換気は「押すか、引くか」だけ
換気設備には第1種から第3種まであります。ここはファン(送風機)がどこに付いているかだけの話です。
| 種類 | 給気(入れる) | 排気(出す) | よく使われる場所 |
|---|---|---|---|
| 第1種 | 機械 | 機械 | 地下、大きな建物 |
| 第2種 | 機械 | 自然 | 手術室など(住宅ではまれ) |
| 第3種 | 自然 | 機械 | 一般的な住戸の浴室・トイレ |
覚え方はシンプルで、両方機械が1種、入れるだけが2種、出すだけが3種。
そして住宅で圧倒的に多いのは第3種です。浴室やトイレの換気扇を思い浮かべてください。吸い出しているだけですよね。
あれがそのまま第3種です。
ここまでで、換気の問題は多くが解けるようになります。図を1枚描いて終わりにしていい論点だと思います。
拾う② 給水は「タンクを経由するか」だけ
給水方式も、名前は難しそうですが分かれ目はひとつです。途中でタンクに貯めるかどうか。
- 受水槽方式…いったんタンクに貯めてから各戸へ送る。停電・断水時もタンク分は使える。ただし水質管理(貯めた水の清掃・点検)が必要
- 直結直圧方式…水道管の圧力でそのまま各戸へ。タンクなし。低層の建物向け
- 直結増圧方式…水道管の水をポンプで押し上げて各戸へ。タンクなしで中高層にも対応できる
ポイントは、タンクがあると水質管理の手間が生まれ、タンクがないと断水時に即止まるという裏表の関係です。
メリットとデメリットが必ずセットになっている。ここが分かっていれば、選択肢を読んで判断できます。
拾う③ 構造は、実務のイメージで覚える
木造・鉄骨造・鉄筋コンクリート造(RC造)の違いは、暗記というより肌感覚で持っておくのがいいと思います。
| 構造 | 遮音性 | 耐用年数の目安 | 建てやすさ |
|---|---|---|---|
| 木造 | 低い | 短め | 安く早い |
| 鉄骨造(S造) | 中くらい | 中くらい | 中くらい |
| 鉄筋コンクリート造(RC造) | 高い | 長め | 高くて時間がかかる |
木造アパートで隣の物音が聞こえる、RCマンションは静か。入居者からの苦情の内容が構造で違うことを思い出せば、それで十分です。
実務で管理をしている方なら、ここはほぼ勉強せずに取れるはずです。
私がやってしまった失敗
正直に書きます。私は最初、建築・設備を「後回し」にしていました。
捨てると決めたわけでもなく、拾うと決めたわけでもない。ただ先送りにしていただけです。
これがいちばん良くなかった。
直前期に「やっぱりやらないとまずい」と焦って手を出して、結局は中途半端。しかもその時間を管理業法の見直しに使えなかったぶん、二重に損をしました。
捨てるなら早く捨てる。拾うなら早く拾う。決めないまま持ち歩くのがいちばん重いと、そのとき学びました。
やらないほうがいいこと/やってよかったこと
やらないほうがいいと感じたこと
- 建築士向けのテキストや動画で補強しようとする(深すぎて戻ってこられません)
- 材料名を語呂で全部覚えようとする(出題との割が合いませんでした)
- 「苦手だから毎日少しずつ」と広く薄く続ける(3つに絞ったほうが早かったです)
やってよかったこと
- 換気の3種類を紙に図で描いて、机の前に貼った
- 給水方式を「タンクあり/なし」の2列だけで書き出した
- 過去問で建築・設備が出たら、拾う3分野かどうかをまず判定した
3つ目が地味に効きました。捨てる分野の問題だと分かった時点で、解説を読まずに次へ進む。これで過去問を回す速度がだいぶ上がりました。
よくある質問
Q. 建築・設備を全部捨てるのは、やっぱりまずいですか?
全部は避けたほうが安全だと思います。ただ、拾うのは3つで足ります。むしろ「3つだけ」と決めるほうが、全部やろうとするより結果的に点になりました。
Q. 実務経験がなくてもイメージできますか?
換気扇と、マンションの屋上のタンクを思い浮かべるだけで、かなり近づけます。私も管理の実務に入る前は、そのくらいの理解から始めました。
Q. 拾う3つは、どのくらい時間をかければいいですか?
私の感覚では、最初に理解するのに数時間。あとは過去問で出てきたときに確認するだけです。ここに何日もかける必要はないと思っています。
まとめ
- 建築・設備は全部やらない、でも全部は捨てない
- 拾うのは換気・給水・構造の3つ
- 換気は「押すか引くか」、給水は「タンクを経由するか」
- 捨てると決めた分野は、過去問で出ても解説を読まずに飛ばす
- いちばん重いのは、捨てるか拾うかを決めないまま持ち歩くこと
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この「どこを捨てるか」の判断が、独学でいちばんしんどいところだと思います。私も、自分の判断が合っているのか最後まで確信が持てませんでした。
講座を使う価値は、知識そのものより優先順位を決めてもらえることにあると感じています。残り時間が少ない人ほど、そこを人に任せる意味は大きいかもしれません。試験まで2か月ほど。直前期向けの短期コースもあります。
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次回は、直前1週間の過ごし方について書こうと思います。
まずは今日、テキストの建築・設備のページに拾う3つだけ付箋を貼るところから始めてみませんか。それだけで、この分野はぐっと軽くなります。
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