定期借家と普通借家の違いをひと目で|事前説明・終了通知・中途解約と、狙われる数字

賃貸不動産経営管理士の試験で、毎年のように問われるのが定期建物賃貸借です。普通借家との違いを「更新があるかないか」だけで覚えていると、事前説明や終了通知の枝問で落とします。

試験まで残り時間が限られている時期なので、覚える順番を決めて、要件と数字だけを拾えるようにまとめます。

まず対比表で全体をつかむ

普通建物賃貸借定期建物賃貸借
更新あり。更新拒絶には正当事由が必要なし。期間満了で終了する
契約の方式口頭でも成立する書面(または電磁的記録)で行う必要がある
事前説明不要契約前に、更新がなく期間満了で終了する旨を記載した書面を交付して説明する
期間1年未満期間の定めのない賃貸借とみなされる1年未満でも有効
賃料増減額請求特約より強行的に働く場面がある増減額請求をしない特約が有効
中途解約特約による一定の要件で借主から解約できる法定の規定がある

落とすのはたいてい「事前説明」

定期借家の事前説明は、契約書とは別に行います。ここが最頻出です。

  • 契約の前に行う。契約と同時ではだめ
  • 更新がなく、期間の満了により終了する旨を記載した書面を交付する
  • その書面は契約書とは別個の書面である必要がある
  • 法改正により、借主の承諾があれば電磁的方法によることもできる

事前説明をしなかった場合、その契約は「更新がない」という定めが無効になり、普通借家として扱われます。契約自体が無効になるのではない、という点も出ます。

終了通知の期間

期間が1年以上の定期借家では、期間満了の1年前から6か月前までの間に、賃貸人が借主へ終了する旨を通知しなければなりません。この通知をしないと、期間満了を借主に対抗できません。

ただし、通知が遅れた場合でも、通知をした日から6か月を経過すれば終了を対抗できます。「通知を忘れたら永久に終わらない」ではありません。ここは引っかけで出ます。

期間が1年未満の定期借家では、この終了通知は不要です。

借主からの中途解約

次の要件をすべて満たすとき、借主は解約の申入れができます。申入れの日から1か月を経過すると契約は終了します。

  1. 居住用の建物であること
  2. 床面積が200平方メートル未満であること
  3. 転勤、療養、親族の介護その他やむを得ない事情により、生活の本拠として使用することが困難になったこと

この規定に反して借主に不利な特約は無効です。逆に、事業用や200平方メートル以上の建物には、この法定の中途解約権はありません。

試験で狙われる数字

数字内容
1年前から6か月前定期借家の終了通知の期間(期間1年以上のとき)
6か月通知が遅れた場合、通知日から経過すれば対抗できる期間
200平方メートル借主の中途解約が認められる居住用建物の床面積の上限(未満)
1か月借主の解約申入れから終了までの期間
1年前から6か月前普通借家の更新拒絶・解約申入れの通知期間(賃貸人側)

普通借家の更新拒絶と定期借家の終了通知は、どちらも「1年前から6か月前」です。同じ数字なので混同しにくい一方、どちらの話をしているかを取り違えると失点します。問題文で「更新がない旨の定めがある」と書かれていたら定期借家です。

切り替えの制限

居住用の建物について、普通借家契約を合意解除して定期借家契約を結び直すことは、2000年3月1日より前からある契約については当分の間できません。いわゆる切り替えの禁止です。事業用の建物には、この制限はありません。

覚え方の順番

  1. 書面が要る(契約も、事前説明も)
  2. 事前説明は契約書と別の書面で、契約の前に
  3. 1年以上なら終了通知。1年前から6か月前
  4. 居住用・200平方メートル未満・やむを得ない事情で、借主は1か月前解約
  5. 賃料増減額請求をしない特約が有効

この5つを声に出して言えれば、定期借家の枝はほぼ切れます。細かい判例まで手を広げるより、この順番を確実にするほうが点になります。

まとめ

  • 定期借家は書面が必要。事前説明は契約書とは別の書面で、契約の前に行う
  • 事前説明を欠くと、更新がない旨の定めが無効になり普通借家になる
  • 期間1年以上なら終了通知。1年前から6か月前まで。遅れても通知から6か月で対抗できる
  • 居住用で200平方メートル未満なら、やむを得ない事情で借主は解約でき、1か月で終了
  • 賃料増減額請求をしない特約は定期借家では有効
  • 居住用の普通借家からの切り替えは、当分の間できない

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直前期に効くのは、新しい知識を増やすことではなく、混同しているところを分けて覚え直すことです。定期借家と普通借家のように、数字が同じで意味が違う論点は、独学だと自分では気づけません。講義で「ここは毎年間違える」と言ってもらえるかどうかで、残り時間の使い方が変わります。
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